【卒業】マジックカーペット
マジックカーペットの紹介
8戦8勝。マジックカーペットは、父は通算5戦5勝、ヨーロッパでGⅠ2勝、1999年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬を受賞したファスリエフ。母はスズノメガミ。兄には中央競馬の現役オープン馬ヒロブレイブがいるように、一族はダートで確実に走る馬がいる血統である。2015年のサマーセールで取引され、一口馬主クラブ、グリーンファーム愛馬会から募集された馬だ。
トレーニングを重ね、デビューは2016年の9月。鞍上は名手川原正一騎手。スタートから3番手につけて向上面から鞍上が手綱を動かし徐々に進出。4コーナーでは先頭に躍り出て、直線でもどんどん加速して2着との差は開いていき見事1着!!2着との差は大差で衝撃のデビューを飾った。
次のレースは12月のJRA認定競走。このレースに勝てば中央競馬のレースにも出られる1戦で、1番人気は後に中央競馬に移籍する馬で、マジックカーペットは2番人気だった。
レースでマジックカーペットは出遅れたものの5番手につけて、徐々に進出し、前をいく1番人気の馬に迫っていく。最終コーナーで先頭にいた人気馬の内側をうまくすくってスパートに入ると、そのままの勢いでゴール!2着とは5馬身差をつけての勝利であった。
その勢いのまま、大晦日の大一番重賞「園田ジュニアカップ」に駒を進めた。父ファスリエフが短距離馬であったので距離延長の不安があるなかスタート。いつも通り少し出遅れた後、中団につけて徐々に進出して最終コーナーをまわるころには2番手!直線では、きちんとゴール前で相手を捕らえゴール!!無敗のまま重賞制覇をした。
3歳になり、2戦して2勝。単勝1.0倍の元返しのレースもあり、着実に園田の絶対エースに成長していく中で迎えた、兵庫県競馬のクラシック第一冠「菊水賞」。勝つのは当然、と言う雰囲気で単勝オッズは1.2倍。どう勝つかを見るレースと思われたが、スタートで出遅れてしまい、すぐに先団に取りつくものの、首をあげて入れ込み気味…。さらに周りを囲まれ、実況で四面楚歌の状態と言われるほどの窮地に追い込まれてしまう。しかし、レースが進むうちに、向こう上面から徐々に馬群がばらけ、進路ができてくる。ついに4コーナーでは馬群の中に進路ができ、そこに位置取り直線でラストスパート!直線粘る馬たちを追い抜き、最後の1頭を捉えたところでゴールイン!見事1冠目を制覇した。
その後、目標を兵庫ダービーに定め、その前に一度ステップレースとしてレースを走ることを選択した。レースでは、いつものように少し首をあげ、いきたがるものの2番手で折り合いをつける。向正面から手綱を少し動かすと先頭に並びかけ、その勢いのまま4コーナーで先頭に。直線ではあがり最速の脚で2着以下を引き離して5馬身差の圧勝劇!この勢いのまま無敗で兵庫ダービー制覇か!と思われたが、直前に左前球節部に骨折が発覚。ダービー前に無念の休養となってしまった。
その後、手術を受けて紆余曲折があったが体調を整え、1年5か月ぶりにレースに出走。長期休養明けの復帰戦でも断然の1番人気。皆が待ち望んでいた証拠である。ここで勝って完全復活!といきたいレースはスタートも5分にでて、2番手にスッとつける。4コーナーで先頭に並びかけてその後は力強く伸びて勝利!!見事復帰戦を制したのであった。この勢いのままいきたいところであったが、今度は右脚に不治の病とも言われる屈腱炎を患ってしまった。完治には1年はかかることからここで引退となった。
算8戦8勝。マジックカーペットと戦ってきたライバルたちは古馬になり重賞勝ちをした馬もおり、中央競馬に挑戦している馬もいる。父ファスリエフと同じ無敗での引退。もし負傷しなければ園田のエースとして、地方交流戦、はたまた中央馬ともどれだけの勝負を重ねてくれただろう…と思わせる本馬。そんな園田の名馬のセカンドキャリアをぜひ皆様の手で支えていただけたらと思います!
詳細ホース情報
血統 | 父:ファスリエフ 母:スズノメガミ |
---|---|
生年月日 | 2014年5月16日 |
性別 | 牡馬 |
産地 | 新ひだか町 |
毛色 | 鹿毛 |
生産牧場 | 小河豊水 |
所属厩舎 | 田中範雄(園田) |
獲得賞金 | 1620万円 |
入厩日 | 2018年11月 |